Introduction
Officeは基本的に自動で最新版に更新する設定になっています。万が一、更新によって不具合を生じるファイルが出てきてしまった時などは元のバージョン(ビルド)に戻してみると解決する場合がありますよ。
戻し方はマイクロソフトのサポートページで案内してくれています。
クイック実行 (C2R) 版の Office 2016 を以前のバージョンに戻す方法
手順を詳しく説明してくれているのですが、コンピュータに慣れていない方だと難しく感じるかもしれません。こちらの操作の流れを具体的にWindows10を使って説明していきます。Windows7や8の場合は、途中の画面(操作)が少し異なるのでご注意ください。
【注意事項】
- C2R版(クイック実行版)のみ可能です
- マイクロソフトのページからソフトウェアをダウンロードするので、インターネット接続環境が必要です
- 更新作業がスタートすると、10分~20分程度かかるので、準備も含め時間のある時に行いましょう
- ワードやエクセルなど、全てのOffice製品のバージョンが変更されます
【作業の流れ】
- C2R版か確認
- バージョン(ビルド番号)の確認
- 必要ファイルをマイクロソフトのページからダウンロード
- デスクトップに作業フォルダを作成
- 作業フォルダに必要ファイルを展開
- xmlファイルを作成
- 更新を無効にする
- コマンドプロンプトを管理者権限で起動
- コマンドプロンプトで更新の設定
- Officeソフトウェアを開き、更新作業
説明画面はエクセルですが、ワードやパワーポイントを使用しても同じ作業ができます。
また、もう少し手順が少ない方法が、マイクロソフトのサポートページのブログや、コミュニティページなどで紹介されています。そちらの方法を試したい方は、エクセル、ワード、パワーポイントのバージョンを戻す方法(Office365 or 2013、2016)簡単版をご覧ください。
ちょっと手順が多いから落ち着いてやるにゃ
自分のOfficeがC2R版か確認する
まず、今回の方法が使用できるか確認しましょう。クイック実行 (C2R) でインストールした Microsoft Office 2016 かどうか確認です。
「クイック実行 (C2R) 」とは何でしょう?
Officeをパソコンにインストール(入れる)方法には、クイック実行(C2R)形式と、Windowsインストーラ(MSI)形式があります。
違いを簡単に説明すると、Windowsインストーラ(MSI)形式は昔から使用されているインストール方式で、クイック実行は最近のOfficeで使用されている方式。
クイック実行の特徴は、
- ダウンロードとインストールが高速
- インストール完了前にソフトの使用が可能
- 異なるバージョンのOfficeが同一パソコンで使用できる(各バージョンなどの縛りあり)
など。
興味のある方は、マイクロソフトのページ「クイック実行の概要」を見ていただくと良いかもしれません。
では、使用しているOfficeがどちらなのか確認しなくてはいけませんね。
確認方法は、左上の[ファイル]をクリックして、
下の方にある[アカウント]をクリック。
画面右側に表示された場所を見てください。
この場所に[更新オプション]というボタンが表示されていたら、クイック実行 (C2R)形式なので、今回の方法が使用できます。
Windowsインストーラ(MSI)形式の場合は、下のように[更新オプション]が表示されずに、すぐに[Excelのバージョン情報]ボタンになっています。
現在のバージョン(ビルド番号)と、戻したいバージョンをチェック
前の説明でクイック実行(C2R)形式だったことを確認したら、次は現在のバージョンと戻したいバージョンを確認しましょう。
現在のバージョンの確認は先ほどの画面を見ればすぐに分かります。
こちらの[Excelのバージョン情報]の右側を確認しましょう。
ビルド番号含めて、一応メモしておくのがおすすめです。
次に、戻したいバージョンのチェックです。
マイクロソフトの「Office 365 ProPlus の更新履歴 (日付別の一覧)」のページを見て戻したいバージョンをチェックします。
※Office365と書いてありますが、Office2016でも同じです。
「リリース日」ごとに様々なバージョンが並んでいます。
直前に戻したい場合は先ほどメモした現在のバージョンから1つ前を覚えておけば良いのですが、機能的な部分を理由に前に戻したい場合は、どのバージョンでどの機能が追加されたかチェックが必要になります。
そんな時は、 画面の左側で[リリースノート]をクリックして、ツリーを開き[毎月のチャネル]から、各西暦をクリックすると更新時に何を行ったか細かい情報を見ることができます。
例えば、下は2018年10月29日の更新情報。Excelで画像の透過機能が追加されたのが分かります。
さて、どのバージョンに戻すか確認できたら、その場所をしっかり覚えておきましょう。もしくはメモが必要です。
後で、ビルド番号を使用することになります。
メモをとって入力するよりも、選択してコピーした方が楽なので、開いたページは閉じずに残しておくのがオススメです。
バージョンダウンに必要なファイルをダウンロードする
では、マイクロソフトのページからバージョンダウンに必要なファイルをダウンロードします。
上のリンクをクリックすると、下の画面にいくので「Download」をクリックします。
ダウンロードはすぐに終わります。
このファイルには、これからダウングレードするのに必要な複数のファイルが1つにまとまって入っています。
ダウンロードが終わったら実行しましょう。
ダウンロード画面の[実行]ボタンを押しても良いですし、
どこかに保存してから、ダブルクリックで起動してもよいですね。
実行すると、「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?」というメッセージが表示されるので[はい]をクリックします。
英語で「マイクロソフトのライセンスに同意しますか?」の画面が表示されるので、左下にチェックを入れてから、[Continue]をクリック。
すると、ファイルを展開するフォルダー(箱)を選ぶ画面が表示されます。
今回は分かりやすいように、デスクトップに「aaa」という名前の新しいフォルダーを作成したいと思います。※「aaa」という名前に意味はありません。
[新しいフォルダーの作成]をクリックして、
「新しいフォルダー」という名前を全て削除して、
新しい名前として「aaa」と入力します。
隣の関係ない場所をクリックすれば名前は確定します。
その「aaa」フォルダが選択されているのを確認して[OK]をクリック。
すぐに下の画面が表示されるので[OK]をクリック。
これで「aaa」フォルダーに必要なファイルが展開されました。デスクトップに作成した「aaa」フォルダーを開くと、
下のように4つのファイルが入っているはずです。
xmlファイルの作成
まだ準備は終わりません。
バージョンを指定するための「xmlファイル」を作成する必要があります。
開いた「aaa」フォルダの中の空いている場所で右クリックしてショートカットを表示します。[新規作成] → [テキストドキュメント]をクリック。
新しくテキスト文書が作成されます。「.」ピリオドの後ろの拡張子を含め、ファイル名を全て消して、
「Config.xml」とファイル名を変更します。
下のように作成されればOK。
このファイルをダブルクリックして開きます。
もちろん何も記入されていません。
このファイルに下の3行を貼り付けます。選択してコピーしましょう。
<Configuration>
<Updates Enabled=”TRUE” TargetVersion=”16.0.xxxxx.yyyyy” /> </Configuration> |
コピーできたら、[編集] → [貼り付け]をクリック。
貼り付けたら、赤線を引いた場所に注目。この場所に先ほど調べておいたビルド番号を入力します。
ホームページを開いたままの状態であれば、コピーすると早いですね。
下の画像が例です。今回はバージョン1808のビルド番号「10730.20102」にバージョンダウンしてみます。
ビルド番号を入力(コピー)し終わったら、[ファイル] → [上書き保存]します。
これでxmlファイルの準備完了です。
Officeの更新を無効にする
更新作業の前に、エクセルやワードを開き、更新を無効にしておきましょう。※1つを設定すれば、他のソフトウェアも同じ設定になります。
バージョンをチェックしたときの画面で、[更新オプション]をクリックして、
[更新を無効にする]をクリックします。
コマンドプロンプトで更新作業
いよいよ更新作業です。
まず、更新の命令をするために、コマンドプロンプトというソフトを管理者権限で起動します。
デスクトップ画面の左下「ここに入力して検索」の場所に、
※検索の場所が表示されていない場合は、同じ場所にある虫眼鏡マークをクリックすると現れますよ。
「cmd」と入力します。
上の方に[コマンド プロンプト]と表示されるので、その場所にマウスを移動して右クリックします。
一覧から[管理者として実行]を選びます。
「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?」というメッセージが表示されたら[はい]をクリックします。
すると、管理者権限でコマンドプロンプトが起動します。
起動した直後は、「C:WINDOWS¥system32」という場所が表示されていると思います。
この場所を更新プログラムが置いてある「aaa」フォルダーに移動してあげる必要があります。
では、「aaa」フォルダーの場所(パス)を確認しましょう。
「aaa」フォルダーを開いたら、上の場所をクリックしてみましょう。
すると、そのフォルダーの道筋(パス)が表示されます。これを右クリックのショートカットメニューからコピーします。
次に起動してあるコマンドプロンプトに「cd」と入力します。
これは、「これから入力する場所へ移動してください」という命令です。
そのあとに、スペースを1つ入れます。
そして先ほどコピーした「aaa」フォルダーの場所を貼り付けます。
コピーした直後にコマンドプロンプト上で右クリックするか、キーボードの「Ctrl」キーを押しながら「v」を押せば貼り付けることができます。
うまく貼り付けることができたら「Enter」キーを押しましょう。
これで「aaa」フォルダの場所に移動できました。
いよいよ、更新作業の命令です。
下の1行をコピーして、「Ctrl」キーを押しながら「v」で貼り付けましょう。
「「config.xml」ファイルの設定でセットアップしてね」という意味。
setup.exe /configure config.xml
「Enter」を押せば下の画面が表示され、
一瞬で実行されます。
しかし、まだ更新準備ができただけです。最後にエクセルなどのOffice製品を起動して更新作業が必要になります。
コマンドプロンプトの画面には特に何も表示されません。
エクセルを起動してバージョンを更新
では、最後の作業です。
エクセルを起動しましょう。起動した時点ではバージョンは変わっていません。これからコマンドプロンプトで設定したバージョンに更新する作業が必要になります。
左上の[ファイル]をクリックして、
下の方にある[アカウント]をクリック。
画面右側の[更新オプション]のボタンをクリックして、
一覧から[今すぐ更新]をクリックします。
すると、先ほど設定したバージョンへの更新作業が始まります。10分~15分程度かかると思います。
まず、下の画面が表示され、
しばらく待っていると、「続行する前に作業内容を保存」という画面が表示されるので、開いているOffice製品を終了してから[続行]をクリックします。
下の「更新を適用しています」の画面が少しの間、表示されすぐに終了します。
これでバージョン変更が終了しました。しばらく待つと、下の画面が表示されます。
エクセルを起動して、バージョンを確認するとビルド番号が変わっています。
ついでに、同じ画面で[更新オプション]ボタンをクリックして[更新を無効にする]に設定を変更しておきましょう。
これですべての手順が終了です。
まとめ
手順が多いので大変ですが、自動バージョンアップにより何か不具合があった場合は必要な操作になります。
その後のバージョンアップでその不具合も解消されているかもしれません。ある程度時間が経ったら、また最新版に更新するのをお勧めします。
大変だけど、うまく戻ると嬉しいにゃ